1997 Fiscal Year Annual Research Report
新しい腫瘍親和性SPECT用製剤を用いた腫瘍診断および治療効果判定
Project/Area Number |
09770706
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 毅 九州大学, 医学部, 助手 (40284509)
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Keywords | ポジトロンCT(PET) / フッ素18標識フルオロデオキシグルコース / 塩化タリウム / SPECT / ^<99m>Tc-MIBI / P-糖蛋白質 / 腫瘍診断 / 治療 |
Research Abstract |
腫瘍患者18例(肺癌16例、縦隔腫瘍2例)に対し、^<99m>Tc-MIBIによる腫瘍SPECTの撮像を15分後(早期像)と2時間後(後期像)の2回行った。腫瘍への^<99m>Tc-MIBI集積の認められた15例のうち手術によって組織が得られた肺癌10例の早期像と後期像より腫瘍への集積率(腫瘍/健側)および腫瘍からのwashout rateを算出し、抗癌剤(ADR,MMC,VSD,VP-16,CPA,CDDP)感受性との相関を検討した。また、腫瘍組織のP-糖蛋白質発現との相関も検討した。結果として^<99m>Tc-MIBIの早期集積率とMMC感受性、腫瘍からのwashout rateとMMC・VP-16感受性とに相関を認めた。しかしながら、P-糖蛋白質発現例(2例)と非発現例(8例)とには集積率・washout rateに有意差を認めなかった。以上より肺癌では、^<99m>Tc-MIBI腫瘍SPECTにより、P-糖蛋白質の発現・非発現にかかわらず、非侵襲的に腫瘍のMMC・VP-16への感受性予想ができる可能性が示された。 今後、症例数をさらに増やすとともに、塩化タリウム腫瘍SPECT検査およびフッ素18標識フルオロデオキシグルコースを用いたポジトロンCTとの対比、病理組織学的診断との対比による解析等を行い、化学療法を施行した患者については経過観察のための検査を予定している。
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