1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09770707
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永次 史 九州大学, 薬学部, 助手 (90208025)
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Keywords | アンチセンスDNA / 2-アミノ-6-ビニルグアノシン / ^<125>I標識DNAオリゴマー / クロスリンク剤 |
Research Abstract |
本研究の目的は我々が開発したクロスリンク能をもつ2-アミノ-6-ビニルプリン誘導体を組み込んだオリゴヌクレチドを用いて、効果的な放射性アンチセンス核酸を合成し、癌診断薬剤としての可能性を検討することである。前年度までに、2-アミノ-6-ビニルプリン誘導体がシチジン及びグアノシンと反応すること及び反応性の高いビニル基をスルフィド基で保護することでビニル体を組み込んだオリゴマーDNAの合成が達成できることを見いだした。本年度はまずビニル体を含むオリゴマーDNAを用いて、そのクロスリンク能を検討した。その結果、酸性条件下20度で5時間反応させたところ、^<32>Pで標識した相補的配列内に含まれるシチジンと選択的に反応することを見いだした。また反応時間を長くするとアデノシン及びグアノシンとも付加体の形成が観測された。シチジンとの反応はシチジンが2-アミノ-6-ビニルプリンと相補的な位置よりずれた場合には反応は起こらずこの反応は、塩基選択的かつ配列特異的であることが示された。 さらに効率的なヨウ素標識オリゴマーDNAの合成を目指しそのモデル反応として、p-ヨードアニリンと2-アミノ-6-ビニルプリンを含むオリゴマーDNAを反応させたところ、酸性条件下反応は速やかに進行し、p-ヨードアニリンが導入されたオリゴマーDNAを得ることが出来た。^<125>Iあるいは^<123>Iで標識したp-ヨードアニリンをこのオリゴマーDNAに反応させれば効率よくヨウ素標識オリゴマーDNAの合成が達成できると期待される。現在、[^<125>I]ヨードアニリンの合成は成功しており2-アミノ-6-ビニルプリンを含むDNAオリゴマーとの反応を検討中である。今後合成したヨウ素標識オリゴマーDNAを用いてDNAの切断及び癌細胞への集積などについて検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nagatsugi,F.et al.: "2-Aminopurine Derivatives with C6-Substituted Olefin as Novel Cross-Linking Agents and the Synthesis of the Corresponding β-Phosphoroamidite Precursors" Tetrahedron. 53(9). 3035-3044 (1997)
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[Publications] Nagatsugi,F.et al.: "Novel cross-linking reaction of oligonucleotides incorpporating new base analogs with selective reactivity toward cytidine" Nucleic acids Symposium Series.36. 67-68 (1997)