1997 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素細胞内還元代謝トラップの機能を改善した新しい脳機能マーカーの開発研究
Project/Area Number |
09770708
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 文彦 九州大学, 薬学部, 助手 (40253471)
|
Keywords | 脳 / 虚血 / 低酸素 / フッ素18標識 / ミソニダゾール |
Research Abstract |
脳内で短時間に還元代謝トラップされる優れた低酸素マーカーを開発に必要なドラッグデザインの基礎情報を得るために,MOPAC(PM3)分子軌道法計算により還元代謝を受けやすいことが予想されるいくつかのフロオロミソニダゾール類以化合物のうち,ベンズフルオロプロピルニトロイミダゾール(BenzFPN)とフルオロニトロイミダゾール(FNI)の合成をそれぞれ開始した。 BenzFPNの合成は市販の2-アミノベンズイミダゾールを出発原料として,側鎖プロピルアンコールの導入の後,アミノ基のニトロ化およびフッ素の導入によって目的物を得るという合成ルートを計画した。側鎖プロピルアルコールの導入の検討の結果,1-O-トシル-3-O-メトキシメチルプロパンと2-アミノベンズイミダゾールをトリエチルアミン存在下DMF中で室温で24時間反応させる条件が最適である事が明らかとなった。この化合物の構造では側鎖が導入される可能性のある位置が2ヵ所予想されたが,2次元NMR解析などによる構造解析の結果,この反応条件でアルキル側鎖を1-N位に選択的に導入することに成功した(収率49%)。次にアミノ基のニトロ化を行うために水とDMFの混合溶媒中,硫酸銅の存在下亜硝酸ナトリウムを加えて室温で反応させた。反応進行したが収率は小さくまた構造決定は困難なためさらに効率的な反応条件を現在検討中である。 FNIの合成は市販の2-ニトロイミダゾールを出発原料としてNH基をメチルで保護した後,Brを導入しハロゲン交換反応でフッ素を導入する合成ルートを計画した。Brの導入はジオキサン中Br_2と反応させることで96%の収率で4、5-dibromo体を得ることに成功したが,導入したBrをフッ素に交換する事に成功していない。このためニトロイミダゾールに直接F_2と反応させてフッ素の導入を行うことを現在検討中である。
|