1997 Fiscal Year Annual Research Report
シンクロトロン放射光を利用したX線像撮影システムの構築
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09770712
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
藤崎 達也 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助手 (00285058)
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Keywords | 放射線診断 / シンクロトロン放射光 / 画像処理 / モンテカルロシミュレーション / 散乱線除去 |
Research Abstract |
征来のX線装置を用いたスキャニングスリット撮影システムの開発,開発した撮影システムによる取得画像の評価および放射光を用いたときの本撮影法における散乱線除去率の算出をおこなった。得られた成果を以下にまとめる。 1 撮影システムの開発 X線管から発生した2次元のX線を鉛スリットにより1次元的照射野として被写体に照射する。ここで,鉛スリットとは2枚の鉛坂により2次元のX線をスリット状にすることが可能で,マイクロメータによりスリット幅を調整できる器具である。被写体を透過したX線は蛍光増倍管と光学的に接合したテレビジョンカメラ(CCDカメラ)により撮影し,画像処理によりスキャニングスリットが可能な撮影システムを開発した。 2 取得画像の評価 画質評価についてはコントラストと鮮鋭度の客観的評価と,視覚的識別能の主観的評価についておこない,被曝線量評価については,同一コントラストを得たときX線出力線量比で評価した。その結果,いずれの評価においても,スキャニングスリット撮影法がグリッドを用いた面撮影法と同等か,それ以上の良好な成績を示した。 したがって,放射光スキャニングスリット撮影法による冠状動脈造影をおこなうことにより,従来のグリッドを用いた面撮影法に比較して低い被曝線量で高画質の画像が得られることを示した。 3 散乱線除去率の算出 モンテカルロ計算法により被写体透過後の2次元点広がり分布を求め,それを2次元的に加算することによって1次線量と散乱線量とを計算して散乱線除去率を算出するという,新しい算出方法で散乱線除去率の算出をおこなった。その結果,放射光スキャニングスリット撮影法では,1次元的放射光ビーム幅と検出器側の電子的スリット幅をできるだけ小さくし同調スキャンをおこなうことによって,散乱線の影響を著しく小さくできることをした。
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[Publications] T.Fujisaki: "Scatter rejection in SR scanning slit radiography with II-TV system" Japanese Journal of Medial Physics. 17・3. 161-172 (1997)
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[Publications] K.Nishimura(?): "Proceedings of the international workshop on medical application using synchrotron radiation HAGA'97" Springer Verlag, (1998)