1997 Fiscal Year Annual Research Report
冠状動脈バイパスグラフトのMR Angiographyの研究
Project/Area Number |
09770714
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
吉岡 邦浩 岩手医科大学, 医学部, 講師 (70210648)
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Keywords | 冠状動脈 / バイパスグラフト / MRI / MR Angiography |
Research Abstract |
平成9年度の研究実施計画に則り冠状動脈バイパスグラフト術が施行された。 28例57本のグラフト(計画では20例40本)について解剖学的・生理学的な測定を行った。57本のグラフトの内訳は、内胸動脈グラフトが34本(左側24本、右側10本)で、動脈グラフトが23本であった。動脈グラフトの径は1.5mm〜4.5mmで平均(2.1mm)で、術中に計測した流量は10〜110ml/min(平均45.2ml/min)であった。有意な左右差は見られなかった。一方、静脈グラフトの径は2〜7mm(平均4.4mm)であったが、冠状動脈との吻合部の径は平均2.0mmであった。、流量は17〜140ml/min(平均68.6ml/min)であった。動脈グラフト、静脈グラフトともに流量に強い偏差が見られた。 この結果をもとにMRAの撮像シーケンスを検討した。具体的にはグラフトの最小径が1.5mmであったので、空間分解能をこれに対応するためphase encodeを従来の128から192あるいは224へと変更した。流量については流量の多いものについてはエコー時間の短縮のみで対応が可能であったが、流量の遅いものについては、flow compensationの付加とslice厚を薄くすることで対応したが十分な結果が得られなかった。これについては、造影剤の使用が有効であることが判明しつつあるので、今後も重ねて検討したい。 これらの結果を踏まえ、25例60本のグラフトについて臨床応用を行った。有病正診率および無病正診率を血管造影法との比較により検討を行うための症例を順調に蓄積しつつある。また、画像表示法についてはMIP法や3D表示法などの具体的な画像表現方法を購入したコンピュータを用いてカラー表示も含めて検討中である。
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