1998 Fiscal Year Annual Research Report
T_1強調MR像における下垂体後葉の信号強度によるバソプレッシン含有量の定量評価
Project/Area Number |
09770720
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
黒川 弘晶 関西医科大学, 医学部, 助手 (40234588)
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Keywords | ホルモン / MR / 下垂体 |
Research Abstract |
目的:近年、MRIを用いた下垂体後葉の詳細な観察により正常の下垂体後葉はT1強調画像で高信号を呈することが知られている。VPの含有量とMRIの信号に濃度依存性の相関性があれば画像診断で定量的な評価が可能となることが期待される。今回の実験では、動物を用い、後葉内のVPを持続的に放出させた状態で、血中VP値、後葉内のVP量とMRIにおける後葉の信号変化を定量的に測定し、相関性の有無を検討することによりMRIの信号強度からVPの定量的評価が可能かを解明した。 方法:1.実験モデルの作成:実験動物は体重約2Kg、雄の家兎を用いた。下垂体後葉のVP分泌を促進し貯留量を減少させる方法としては絶水状態を持続させる。 2.MRI撮影:MR装置は臨床用の1.5T超電導型を用いた。 3.血中VP測定:コントロール群、絶水群ともにMRI撮像直前に耳介静脈より採血しradioimmunoassay法で計測した。 4.下垂体後葉のVP抽出・定量:摘出した下垂体は後葉を分離し、溶媒に含まれるVP濃度はradioimmunoassay法で計測し、総量を算出した。 5.後葉のVP含有量とMRIにおける信号強度の解析:ソフトウエアはNIH Image(Version1.6)を用いて下垂体後葉、脳幹、backgroundの信号値、後葉の面積を計測する。後葉内のVP濃度はVPの総量をMRIで計測した後葉の体積で除することにより濃度を求めた。T1強調画像での信号強度と下垂体のVP含有量とは相関係数は0.809と高い値を示した。また、このT1画像での高信号はVPとニュウーロフィジンの複合化合物に起因していることが示唆された。
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