1998 Fiscal Year Annual Research Report
Gd-dynamic MRIを用いた肺癌と良性病変の鑑別、増強効果と病理像との相関
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09770722
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
藤本 公則 久留米大学, 医学部, 講師 (00199366)
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Keywords | 良,悪性の鑑別 / 肺癌 / 肺良性腫瘍 / dynamic MRI / 腫瘍血管新生 / 腫瘍間質量 / 抗ヒト第VIII因子関連抗原 |
Research Abstract |
(今年度の研究の背景)前年度行った肺癌と良性病変の区別にGd-dynamnic MRIが有用かの検討によって,悪性は良性に比して、腫瘤の信号は早期に強く増強され、また効果は早く減弱するといえ、dynamic studyによって良、悪性の鑑別の可能性が示唆されたが,良,悪性間には多くの類似点もみられた。そこで,dynamic MRIの血行動態がどのような病理学的所見を現している可能性があるかについて,症例を増やし,検討を加えた。 (病理学的検討)特に3cm以下の肺癌切除42例(前年度22例)を対象とし、腫瘍の増強効果と病理像を比較検討した。摘出された肺癌を固定し、割面像を作成、HE染色のみならず、血管の分布、数を知るために内皮を特異的に染色するFactor-VIII stain、間質の分布を検討するためにEVG stainを行い、腫瘍の内部性状、腫瘍血管の分布、数、間質量などとdynamic MRIによって得られたcurveの各種パラメーターとの相関を統計学的に検討した。 (結果)腫瘍内小血管数は早期増強効果比、後期減弱比と正の相関、最大造影に至る時間と負の相関を示し、腫瘍内間質量が多いものは後期減弱比が有意に低いという結果であった。 (結論)腫瘍内血管数が多いものほど早く強く造影され、腫瘍間質量が多いものほど造影効果が持続する(造影剤の排出が悪い)傾向にある。以上より、腫瘍の早期増強効果,後期減弱のパターンは良,悪性の区別に有用であるが,病理学的には腫瘍内血管数と腫瘍間質量の違いを反映している可能性がある。良性病変でも血管数と間質量が多ければ,悪性病変と同様の増強効果を示すことが示唆された。(今後の研究展開)上記の結果が良性病変でも同様かについて,手術例を主体に再検討する必要がある。さらにFactor-VIII stainで染色された微小血管と血管新生因子(VIIGF)との関連性を研究し,dynamic MRIによる経時的な増強効果をみることで,腫瘍血管新生,腫瘍間質増生の程度を推察できるか.また,画像所見と予後との相関があるかも検討する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 藤本公則: "Gd-dynamic MRIを用いた肺癌と良性病変の鑑別-増強効果と病理像との相関" INNERVISION. 13・9. 61 (1997)
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[Publications] Fujimoto K,et al.: "Small peripheral lung cancer evaluated with dynamic MR imaging;MR imaging-pathologic correlation" Radiology. 205. 675 (1997)