Research Abstract |
当初,化学研究費補助金により,研究室の整備,染色システムの構築に着手した。具体的には,滋賀医科大学で行っていた免疫染色のプロセスを当教室で行えるよう,標本凍結用の部品及び,鏡検時に使用するメカニカルステージを備品として購入した。また消耗品として各種試薬,実験器具を購入し,研究室での実験プロトコルを作成した。 この後,予備実験を開始。ウイスターラットを使用。生後,第8週のラットの左貫通路に,深麻酔下にて双極電極を留置した。2週間の回復期間後,後発射閾値強度で刺激を連日行った。本年度は発作の発現,発展とは無関係に,術後1日,3日,1週,2週後に,深麻酔下において潅流固定を行い,クレシルバイオレット染色,及び免疫染色のスクリーニングとしてox-42染色を行った。また,対照群として未刺激のラットも術後の同じ日数で染色した。この結果,ミクログリアの活性化はほとんど認められず,現段階では,カイニン酸投与時のような変化を認めていない。 次年度は,当初の計画若干の変更を加え,貫通路刺激群,扁桃体刺激群,カイニン酸投与群の3群をもうけ,それぞれの発作完成後の1日,3日,1週,2週,4週,8週,16週の変化を観察,比較してんかん発作の発現,発展におけるミクログリア活性化の意義を検討することとした。 なお現在のところ,以上の実験内容は予備段階のためいかなるところでも発表を行っていない。染色のためのシステムを利用し,他研究者の組織標本作製を行ったため,それを研究発表として挙げる。
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