1997 Fiscal Year Annual Research Report
事象関連電位3Dトポグラフィーを用いた精神分裂病の病態研究
Project/Area Number |
09770749
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
大田 裕一 琉球大学, 医学部・附属病院, 講師 (90264481)
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Keywords | 事象関連電位 / P300 / 精神分裂病 |
Research Abstract |
精神分裂病の事象関連電位P300成分の振幅低下はほぼ確認された事実とされているが、その頭皮上分布についてはまだ一定した結論はなく、申請者らの研究では妄想型において左側頭部の振幅低下が他の型に比べて目立っていることを報告してきた。ただし頭皮上16部位を用いた解析であり、頭皮上分布をmappingするには電極数が足りないと考えられた。また平成8年度に申請した定量的MRIを用いた研究では、精神分裂病者では健常者に比較して、左上側頭回後半部の容積が低値の傾向が認められ、精神分裂病者の同部位に注目した頭皮上分布の検討が重要と考えられた。今回申請した研究では、記録電極数を128と増やし、事象関連電位の頭皮上分布を立体的にmappingすることを目的に記録を開始した。国内外でも頭皮上128チャンネルからの記録は報告が少なく、記録およびデータ解析の方法に若干の工夫を要した。記録法については日本ではまだ報告のない128個の電極を配したnetを用い、4台の増幅器と2台のコンピュータを使って記録している。データ解析用のソフトはまだ少なく、外国製の既存のソフトを用いるか、国内の他の研究施設で開発中のソフトを用いるか検討中である。現在健常者について記録を行っているが、従来のデータより詳細な頭皮上分布が得られている。例えば、従来頭皮上のピークがひとつしかないと考えられてきたものが多数のピークに別れていく可能性がある。次年度は精神分裂病者について同様の方法を用いて記録を続け、健常者と比較していきたい。また事象関連電位記録の立体的表示のみでなく、定量的MRIを組み合わせるなどして、事象関連電位各成分の発生源の検討も行っていきたい。
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