1997 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍細胞選択的アポトーシスによる内分泌系悪性腫瘍の遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
09770773
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川上 康 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (70234028)
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Keywords | 甲状腺癌 / 遺伝子治療 / FAS |
Research Abstract |
甲状腺癌の遺伝子治療の一法として甲状腺細胞特異的にマウスFAS抗原を強制発現させ、ヒトFASを認識せずマウスFASのみ認識する抗マウスFASモノクローナル抗体を用いて正常甲状腺細胞を含め癌原発および転移腫瘍をアポトーシスへ誘導する方法を考えている。サイログロブリンが甲状腺のみから産生されることから、サイログロブリンプロモーター(TgP)を甲状腺細胞特異的プロモーター候補として検討したところ、耳下腺にもプロモーター活性が認められた。このため、ヨード移送チャネル遺伝子のプロモーター(ICP)領域2.3Kbを新たにクローニングして検討したところ、甲状腺細胞特異的なプロモーター活性をもつことが判った。また、ヒト甲状腺乳頭願8例、濾胞癌2例、未分化癌2例において上記プロモーター活性を測定したところ、サイログロブリン産生の認められない未文化癌症例を含めた全例で上記2つのプロモータ活性が認められた。TgPまたはICPとマウスFAS抗原を組み込んだアデノウイルスを作製し、ヒト甲状腺正常組織および甲状腺癌由来の初代培養細胞に導入したところ細胞表面にマウスFAS抗原が発現することを確認した。非甲状腺由来の培養細胞(肝細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞、平滑筋細胞)に上記のアデノウイルスにより遺伝子導入してもマウスFAS抗原発現が認められないことを確認した。抗マウスFAS抗体を上記の培養細胞群に添加した結果、検討した細胞群の中では甲状腺細胞のみにアポトーシスが観察された。アポトーシスの程度に差があり別個にルシフェラーゼ活性により確認したプロモーター活性と相関がないことから、細胞内のアポトーシス抑制因子、とくにBc12、Baxの関与が考えられた。
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[Publications] Y.Kawakami: "Ocular vascular endothelial growth factor levels in diabetic rats are clerated before observable retinal proliteratie change" Diabetologion. 40. 726-730 (1997)
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[Publications] Y.Kawakami: "Type II alvedar epithelial cells in lung express peceptor for RAGE gene" (1997)