1997 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト副腎皮質細胞(NCI-H295)におけるIGF-Iの副腎アンドロゲン産生調節
Project/Area Number |
09770781
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
遠藤 彰 浜松医科大学, 医学部, 助手 (50232989)
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Keywords | 副腎皮質 / 副腎アンドロゲン / IGF-I / ステロイド合成酵素 |
Research Abstract |
副腎皮質のDHEA、DHEAS産生においてIGF-Iがどのような調節作用を有するかを明確にする目的で、副腎皮質網状層の性質を有するNCI-H295Rを用いて以下の結果を得た。1.NCI-H295Rの培養条件において、凍結保存されたものより開始する場合、細胞密度を高めた状態で開始しないとその後の細胞増殖速度に著しい差が生じた。培養条件は、D-MEM/F-12,1%ITS+Premix,2%Ultroser SFでdoubing timeは3〜4日ほどで実験に供する事ができた。2.IGF-IをNCI-H295Rに添加した実験では、IGF-I(1,10,100nM)添加時において、cortisol産生は、cyclic AMP添加、非添加双方ともに刺激調節された。DHEA、DHEAS産生は、cyclic AMP非添加時において、増大していたが、cyclic AMP添加時においては、抑制、あるいは変化無しの結果があり、同様の実験の繰り返しを必要とし、今年度では結論することができなかった。3.各種培養条件下におけるNCI-H295RよりRNAを抽出し、Northern blottingによりステロイド代謝酵素の発現を検討した。3β-HSDは、cyclic AMP添加により刺激され、IGF-Iでは、増大するものと変化がないものがあり、今年度では結論できなかった。この結果は、同時に行われたcyclic AMP添加時においてのDHEA、DHEAS産生の変化に一致しており、DHEA、DHEAS産生には、3β-HSDがkey enzymeであるとの仮説を指持する結果ではあった。17α-hydroxylaseは、予想よりもその発現が低く、変化を測定するには、probeのラベリング法等の検討が必要であり、現在進行中である。
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