1997 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄腫細胞に発現するアポトーシス関連リン酸化タンパク質のクローニング
Project/Area Number |
09770824
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
畑 裕之 熊本大学, 医学部, 助手 (70271129)
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Keywords | 多発性骨髄腫 / アポトーシス / Bcl-2ファミリー / 蛋白合成阻害剤 |
Research Abstract |
骨髄腫細胞の自然に起こるアポトーシスと、蛋白合成阻害剤であるCyc1oheximideが誘導するアポトーシスとに相関があることを見出し、そのメカニズムを解明するために、アポトーシス関連蚤白の発現を検討した。骨髄腫細胞株6種(RPMI8226,KHM-11,KHM-1A,KHM-1B,KMS-12-BM,KMS-12-PE)を用い、ウェスタンブロットでBcl-2 family of proteins(Bcl-2,Bcl-XL,Bcl-Xs,Bax)の発現を調べた。もっともCHXに感受性の高い細胞株であるKHM-11はBcl-2を発現しておらず、Baxを強く発現していた。一方、もっとも感受性の低い細胞株KMS12-BMはBcl-2を高発現しており、Baxは発現していなかった。両者の中間段階の細胞株はBcl-2を中程度に発現しており、Bcl-Xsを発現しているものもあった。以上のことから、骨髄腫細胞の自然に起こるアポトーシスとCHXによるアポトーシスはBcl-2とBaxの比によって決定される傾向が示された。さらに興味深いことに、CHX処理によりKHM-11ではBaxの発現が増強するとともにBcl-2の発現が減弱し、もともとBaxを発現していない細胞株KMS-12-BMではCHX処理によりBaxが誘導される現象が観察され、BaxがCHXによってsuper-inductionされる遺伝子群の一つである可能性が示され、Baxが骨髄種細胞のアポトーシスに果たす役割の重要性が示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T, Kagimoto., et al.: "Differential glycosylation of Bence Jones protein and kidney impairment in patients with plasma cell dyscrasia." Journal of Laboratory and Clinical Medicine. 129. 217-223 (1997)
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[Publications] 畑 裕之 他: "骨髄腫細胞のアポトーシス" 臨床免疫. 29. 467-475 (1997)
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[Publications] H, Hata., et al.: "Hyperdiploid myeloma cell as an indicator of poor prognosis and drug refractoriness." International Journal of Hematology. 66. 219-226 (1997)
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[Publications] 畑 裕之 他: "アポトーシス" 臨床検査. 42. 77-80 (1998)