1997 Fiscal Year Annual Research Report
トロンボポエチン受容体機能ドメインの解析とその下流シグナル分子の同定
Project/Area Number |
09770828
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
高徳 正昭 自治医科大学, 医学部, 助手 (20285787)
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Keywords | トロンボポエチン / トロンボポエチン受容体 / シグナル伝達 / 巨核球分化 / エリスロポエチン受容体 / 赤芽球分化 / クロストーク |
Research Abstract |
我々はトロンボポエチン受容体(TPOR)のdeletion mutant cDNAを作成し、ヒト白血病細胞株UT-7/EPOに安定発現させ、TPOR機能ドメイン解析を行った。これにより細胞増殖や巨核球分化に必須な領域はアミノ酸575-586とアミノ酸615-630にあり、アミノ酸587-614には細胞増殖や巨核球分化を負に制御する領域が存在することを明らかにした(Takatoku, et al.,J.Biol.Chem.1997)。次に細胞増殖や巨核球分化の制御に、どのような細胞内シグナルが関与しているかを解析した。その結果JAK2-STAT、Raf-MAPの2つのシグナル経路が重要な役割を演じていることが明らかにした(投稿準備中)。 さらに我々はTPO刺激により赤芽球への分化が誘導されることを見出した(Yamada, et al.submit)。そこでTPORとエリスロポエチン受容体(EPOR)の間にシグナルクロストークが存在するのではないかと考え、細胞株を用いて解析したところ、TPO依存性にTPORとEPORにシグナルト-クがあることをはじめて見出した。今後さらに検討を加え発表予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takatoku,M., et al: "Identification of functional domains of the human thrombopoietin receptor required for growth and differentiation of megakaryocytic cells." J.Biol.Chem.272. 7259-7263 (1997)
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[Publications] Komatsu,N., et al: "In vitro development of erythroid and megakaryocytic cells from a UT-7 subline, UT-7/GM." Blood. 89. 4021-4033 (1997)
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[Publications] Kirito,K., et al.: "A novel function of Stat1α and Stat3 proteins in erythropoietin-induced erythroid differentiation of a human leukemia cell line" Blood. (in press). (1998)
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[Publications] 高徳正昭 他: "トロボポエチン受容体を介した細胞内シグナル伝達とその異常" 臨床血液学会, 6 (1997)
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[Publications] 高徳正昭: "トロンボポエチンレセプターを介するシグナル伝達機構" 科学評論社, 6 (1998)