1997 Fiscal Year Annual Research Report
脂溶性ビタミンによる白血病細胞の細胞周期調節機構の分子生物学的検討
Project/Area Number |
09770830
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
武藤 章弘 慶應義塾大学, 医学部・内科, 助手 (90239468)
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Keywords | 白血病 / 脂溶性ビタミン / cdk mhibitor / 分化誘導 |
Research Abstract |
白血病は何らかの機序により,造血細胞のある段階で分化機構が障害され,腫瘍性増殖が起こることにより発症すると考えられる。ある種の白血病細胞では脂溶性ビタミンであるビタミンA,ビタミンD,およびその活性誘導体により増殖を抑制し,分化を誘導する。その点に注目し,脂溶性ビタミンが白血病細胞の分化・増殖と細胞周期調節機構に与える影響を分子レベルで明らかにし,臨床的により効果的な分化誘導療法の確立を目的とした。平成9年度はall-trans retinoic acid(RA),1,25(OH)_2vitamin D_3(D_3)を白血病細胞株(HL-60,NB4),レチノイン酸耐性急性前骨髄球性白血病細胞株UF-1に添加し解析を行った。その結果,HL-60とNB4ではRA,D_3によりG1停止をおこし増殖は抑制され,CD11bの発現が増強した。UF-1ではRAによる変化は認めなかったが,D_3投与により増殖抑制,分化誘導が見られた。細胞周期調整蛋白であるp21^<WAF1>,p27^<KTP1>は,脂溶性ビタミン投与による増殖抑制,分化誘導にともないmRNA,蛋白レベルともに発現増強がみられた。現在発現調節ベクターを用いて各白血病細胞株にp21^<WAF1>,p27^<KTP1>を強制発現させて,細胞周期,分化誘導に与える影響を検討している。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Muto A, Kizaka M, et al.: "1.25-dihydroxy Vitamin D_3induces differentiation of retosoic cecid-resistant APL cell life (UF-1) activated with of p21^<WAF1> and p27^<KTP1>" Bloocl. (in press).