1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09770833
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
小林 祥子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80256528)
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Keywords | 巨核球造血 / 転写因子 / NF-E2 |
Research Abstract |
巨核球造血の遺伝子制御機構、特に転写機構を解明するために、まず巨核球悪球の増殖成熟のモデル系を用いて検討した。当科で樹立した巨核芽球性白血病細胞株Meg-JにrhTPO及びインドロカルバゾール系化合物であるK252aを添加培養することにより、細胞が多倍体化し、また血小板糖蛋白の発現が増強し、形態的にも大型化し偽足形成を形成することを認めた。これは巨核球造血の多倍体化、成熟機構を解明するうえでよいモデル系と考えられる。この系を用いて各種転写因子すなわちGATA-1,GATA-2,Tal-1,EVI-1,NF-E2p45,MafKのmRNAの発現を検討したところ、NF-E2p45のみ発現が増加し、その他の遺伝子には発現の変化は認められなかった。またゲルシフトアッセイでNF-E2結合の増強を確認した。このNF-E2p45の増強がMeg-Jの多倍体化に関与しているかどうかを検討するために、NF-E2p45のアンチセンスオリゴ鎖、センスオリゴ鎖をTPO及びK252aと共にMeg-Jに添加培養したところ、NF-E2p45のアンチセンスオリゴ鎖添加でNF-E2p45の発現の抑制を認め、またTPO,K252aによる核DNA量の増加は抑制された。これらの結果よりNF-E2はMeg-J細胞においては、TPO,K252aによる核DNA量の増加を制御する転写因子と考えられた。 さらにMeg-JにNF-E2p45をエレクトロポレーションにて外来導入を行ない、成熟巨核球への分化誘導を試みたが、発現ベクターのみでは一過性の発現しか認められず、現在ウイルスベクターを作成、導入中である。
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