1997 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス蛋白質の腎疾患モデルおよび遺伝子導入による腎障害抑制に関する研究
Project/Area Number |
09770840
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
小松田 敦 秋田大学, 医学部, 助手 (70272044)
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Keywords | 熱ショック蛋白質 / 分子シャペロン / ライソゾーム障害モデル / HSP72 / HSP73 / HSP90 / トランスフェクション |
Research Abstract |
熱ショック蛋白質(heat shock protein,HSPs)は,細胞防御・機能維持に必須であり,多くのHSPsは非ストレス下でも細胞内に発現し,分子シャペロンとして機能することが明らかとなってきた.我々は主要なHSPsを哺乳動物から精製し,特異抗体の作製に成功してきた.以前,gentamicin(GM)腎症で,近位尿細管の障害されたライゾームにHSP73が蓄積することを報告した.平成9年度はこのモデルで非分子シャペロンであるargininosuccinate synthetase(ASS)との局在変化を比較検討した.また,poly-D-glutamic acid(PDGA)によるライソゾーム蓄積症モデルでHSP73,HSP90およびASSの局在変化と量的変動を比較検討した.さらに培養細胞にHSP72遺伝子を導入しHSP72を過剰発現させ,各種有害な環境や毒物に対する抵抗性を検討した. 1.GMをラットに投与し,HSP73とASSの局在変化を免疫電顕で観察し,HSP73が近位尿細管の障害されたライソゾームに特異的に蓄積することを確認した. 2.PDGA腎症でも,GM腎症と同様にASSと比較してHSP73,HSP90が障害されたライソゾームに特異的に蓄積することを見い出した.したがって,HSPsは傷害されたライソゾーム内で能動的な役割を担っていると考えられる. 3.HSP72の遺伝子をベクター(pBK-CMV)に導入し,リボソーム法によりブタ腎臓尿細管上皮細胞(LLC-PK1)にトランスフェクションした.HSP72の過剰発現を抗HSP72抗体を用いた生化学的方法(immunoblot法)で確認した.この細胞株は過酸化水素による障害に対して,コントロールより約2から3倍の抵抗性を示した.したがって,HSP72は尿細管細胞においても細胞防御・機能維持に必須と考えられる.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Komatsuda A, et al.: "Intracellular Localization of 73-kDa Heat-Shock Protein in Rat Kidneys with Acute Gentamicin Nephropathy : An electron microscopic immunohistochemical study" Nephrology. 3. 413-419 (1997)
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[Publications] 小松田敦, 涌井秀樹.: "腎尿細管障害とheat shock proteins." Annual Review 腎臓 1998.94-102 (1998)