1997 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト腹膜中皮・線維芽細胞とその相互作用に及ぼす透析液組成と炎症の影響
Project/Area Number |
09770851
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
神代 志保 昭和大学, 医学部, 助手 (70291672)
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Keywords | 腹膜中皮細胞 / 腹膜線維芽細胞 / 腹膜透析液 / IL-6 / IL-1β / 糖濃度 / 細胞傷害 |
Research Abstract |
1)種々の腹膜透析液が腹膜中皮細胞、線維芽細胞に及ぼす影響 ブドウ糖濃度1.5、2.5、4.25%の腹膜透析液(PDF)濃度が20%となるように基礎培地(F-12)で調整し、コンフルエントに培養したヒト腹膜中皮細胞(MC)と線維芽細胞(FB)に添加し培養を開始した。培養12、24時間後の細胞傷害性をmethyltetrazolium(MTT)法にて測定し、さらに培養12時間後の培養上清中のIL-6、IL-1β濃度をELISA法にて測定した。コントロールは20%FCS-F-12培地(増殖用培地)添加群とした。 MCのMTTuptakeは培養12時間ではPDFの各糖濃度間およびコントロールと比較して有為な差は認められなかったが、24時間ではPDFの糖濃度依存性に低下した。FBにおいては、培養12、24時間後ともにPDFの糖濃度とMTTuptakeとの間に明らかな相関は認められなかった。培養12時間後に測定した上清中のサイトカイン濃度は、MC、FBともにPDFのブドウ糖濃度とは無関係にIL-6、IL-1β濃度がコントロールに比して高値を示した。 2)種々の腹膜透析液が腹膜中皮細胞、線維芽細胞相互作用に及ぼす影響 上記の培養細胞のうち、PDFを添加し培養刺激後12時間目の刺激下MCとFBをそれぞれ無刺激のFB、MCとco-cultureし、細胞数及び上清中のIL-6、IL-1βを測定した。刺激下MCが無刺激FBに与える影響としては、刺激したPDFの糖濃度とは無関係にFBの細胞数は増加し、上清中のIL-6、IL-1β濃度も上昇した。また刺激下FBが無刺激MCに与える影響も、刺激したPDFの糖濃度と無関係にMCの細胞数は増加し、上清中のIL-6、IL-1β濃度も高値を示した。しかし、刺激下FBが無刺激MCに及ぼす影響がより強い傾向を示した。
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