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1997 Fiscal Year Annual Research Report

慢性糸球体腎炎進行の分子機序としての熱ショック蛋白の機能解析

Research Project

Project/Area Number 09770854
Research InstitutionTokyo Women's Medical University

Principal Investigator

秋岡 祐子  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90212422)

Keywords分子シャペロン / 熱ショック蛋白 / 慢性腎炎 / 免疫抑制剤 / グルココルチコイドレセプター
Research Abstract

分子シャペロン(Molecular chaperones)は蛋白-蛋白相互作用により、細胞内蛋白の高次構造(すなわち非天然構造、non-native conformations)の形成・保持そして細胞内移動を助ける機能を持つ一群の蛋白である。これまでに知られている分子シャペロンの多くは熱ショック蛋白(Heat shock proteins,Hsp)に属する。熱ショック蛋白はHsp-100、90、70、60、47、28等のファミリーに分類され、また構成型と誘導型の発現形態が明らかにされている。
糸球体疾患における分子シャペロンの役割はまだ明らかでないが、これまでに知られている生理的および病態での分子シャペロンの機能から推定されるのは:1)病態の防御因子としての機能;2)病態の促進因子としての機能;3)治癒機転規定因子としての機能、の3点である。1)の防御因子としての分子シャペロンの機能は、熱ショック蛋白の一部が細胞へのストレスで誘導されること、また変性を受けた蛋白の高次構造回復に関与することが明らかにされている。2)の病態促進因子としての作用は、Hsp47による細胞外基質(コラーゲン)の増加、Hsp70および60によるT細胞の活性化等が知られている。3)については、熱ショック蛋白やイミュノフィリンがグルココルチコイドレセプターや免疫抑制剤(シクロスポリン、FK506、デオキシスパーガリン)と結合することより、これら糸球体疾患に対して用いられるホルモン・薬剤の分子作用に関与することが考えられる。
糸球体疾患発症進展機序として転写調節を中心とする遺伝子発現制御の解析が進められているが、蛋白発現のもう一つの規定因子である翻訳後調節についてはまだ不明の点が多い。分子シャペロンは転写調節因子・情報伝達物質を含む細胞内諸蛋白の回転に重要な役割を果たすことから、腎疾患病態における翻訳後調節因子として重要な意義を持つと考えられ今後の解析が望まれる。

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Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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