1997 Fiscal Year Annual Research Report
血管作働性物質の胎生期血管血行動態への関与(モデルシミュレーション解析)
Project/Area Number |
09770875
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
吉儀 雅章 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50246518)
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Keywords | 血管系 / 胎児 / 拍動流 / フーリエ解析 / 血管作働性物質 |
Research Abstract |
平成9年10月にTriton社製20MHzパルスドプラ血流速計を導入し、まず本計測器の線形性について検証した。定常流に対しては1‐300mm/sまで線形で、相関係数は0.98以上であった。拍動流に対しては10Hz,100mm/sまで5%以内の位相誤差で、振幅の線形性の相関係数は0.95以上であった。また、WPI社製の微少血圧測定装置の物理的特性は毛細管先端径によって異なり、共鳴周波数は6.5Hzから14Hzの間にあることが検証された。これは矩形圧波に対する測定圧曲線のデータから、逆フーリエ変換を用いて補正するプログラムを現在本研究の一部として作成中である。 正常鶏胚において、定常流エネルギーと拍動流エネルギーを算出し、エネルギー効率を算出したが、胎齢3日から5日にかけて拍動流の比が成長とともに増加し、エネルギ一効率はむしろ悪くなる方向に変化した。これは拍動流エネルギーが血管を伸縮させることにより血管の発育を促すようにエネルギーを消費しているとも解釈され、興味深い結果であるため、本年8月札幌で開催のWorld Congress of Biomechanicsに発表予定である。 平成10年度は種々の薬剤、とくに血管拡張剤、カルシウム拮抗剤、エンドセリンなどの薬剤負荷を行い、種々の血管血行動態パラメーターが成長とともにどのように変化するか検討する予定である。
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