1997 Fiscal Year Annual Research Report
外科的侵襲後の体内水分貯留におけANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)の役割
Project/Area Number |
09770885
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金内 一 東京大学, 医学部・附属病院分院, 助手 (20242141)
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Keywords | 外科的侵襲 / 体内水分貯留 / ナトリウム利尿 / 心房性ナトリウム利尿ペプチド / アルドステロン / アルドステロン受容体 / 低炭酸ガス / ラット |
Research Abstract |
目的:Hypocapinaによる心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)のナトリウム(Na)利尿抑制作用は,レニン-アルドステロン系に依存しているか,アルドステロン受容体の拮抗薬であるカンレノ酸(Sp)を投与して,hypocapniaにより抑制されたANPのNa利尿作用が回復するかどうかを調べた. 方法:ラットにカニュレーションした.気管内挿管をし、hypocapniaもしくはnormocapniaとした.腎クリアランス・テスト(CL):hypocapniaを負荷し,CL-1をおこなった.続いてSp8mg/kg静注後,ANP10μg/kg/h点滴静注下にCL-2をおこなった.尿量(V),尿中Na排泄量(U_<Na>V),Na排泄分画(FE_<Na>についてCL-1からCL-2の増加分をΔVμl/min,ΔU_<Na>VμEq/min,ΔFE_<Na>%とした. 結果:HypocapniaではANPのNa利尿作用が抑制された(hypocapnia+生理食塩水処置+ANP(n=7):ΔV-7.1±6.3,ΔU_<Na>V-0.3±0.8,ΔFE_<Na>1.89±0.53),(normocapnia+生理食塩水処置+ANP(n=7):ΔV44.2±11.6,ΔU_<Na>V9.0±1.0,ΔFE_<Na>3.95±029). HypocapniaでSpを投与するとΔV,ΔU_<Na>V,ΔFE_<Na>はタイム・コントロールに比べてANP投与で増加した(hypocapnia+Sp処置+ANP(n=9):ΔV67.2±14.4,ΔU_<Na>V13.6±2.2,ΔFE_<Na>4.68±0.92),(hypocapnia+生理食塩水処置+ANP(n=6):ΔV6.7±7.0,ΔU_<Na>V5.5±1.1,ΔFE_<Na>1.31±0.78). 考察:Spは,hypocapniaによるANPのNa利尿抑制作用を回復する.したがって,hypocapnia下では,アルドステロンによりANPのNa利尿作用が抑制されると考えられた.
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