1997 Fiscal Year Annual Research Report
生体内における膜型リンフォトキシンの発現に関する研究
Project/Area Number |
09770894
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
堀内 淳 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (10284407)
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Keywords | 膜型リンホトキシン |
Research Abstract |
1)各種腫瘍組織内リンパ球における膜型リンホトキシンの発現 肺癌6例、乳ガン1例、縦隔腫瘍1例、胃癌1例、大腸癌1例、肝細胞癌3例、膵臓癌2例、胆嚢癌1例、腎癌1例の合計19例の腫瘍組織および、末梢血より、リンパ球を採取した。フローサイトメトリーにて測定したが採取した状態でのリンパ球には膜型リンホトキシンの有意な発現を認めなかった。抗原の検出には、リンホトキシンに対するポリクローナル抗体を用いた。今回、リンホトキシンに対するモノクローナル抗体を作製したが、膜型リンホトキシンを認識しない抗体が存在した。つまり、ポリクローナル抗体では膜型リンホトキシンを認識しない抗体も含まれているため、膜型リンホトキシンを認識するモノクローナル抗体を用いて再検討する予定である。採取したリンパ球をIL-2で活性化した場合の膜型リンホトキシンの発現について、末梢血と腫瘍浸潤リンパ球で比較した。活性化された腫瘍浸潤リンパ球では活性化された末梢血よりも膜型リンホトキシンの発現が高い傾向がみられたが、有意な差は認めなかった。 2)各種臓器組織内における膜型リンホトキシンの遺伝子の発現 膜型リンホトキシンには、膜上に表出しているα部分と膜に埋め込まれているβ部分から構成されており、β部分の遺伝子のみでは膜上にリンホトキシンが発現されないため、フローサイトメーターでは検出されない。今回生体内各種臓器の組織別に膜型リンホトキシンの遺伝子の発現を検出したところ、リンパ球を多く含む臓器でβ部分の遺伝子の発現が認められた。今後、癌組織、転移リンパ節、転移陰性リンパ節で膜型リンホトキシンの遺伝子の発現を比較検討する予定である。
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