1997 Fiscal Year Annual Research Report
術中迅速遺伝子診断に基づく胃がんリンパ節廓清の適正化
Project/Area Number |
09770928
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小田 竜也 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20282353)
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Keywords | 胃がん / 分子診断 / リンパ節転移 |
Research Abstract |
胃ガンに高率に異常発現しているCEA,Muc-1分子をマ-カにがんの存在診断を分子生物学的に行う事を試みている。非がん胃、胃がん原発巣、転移リンパ節の組織を採取し、ホモジナイズ後、totalRNAと抽出、RT-PCRによりそれぞれの分子発現を検出している。術中迅速診断を行う事が最終目的であるが、現在は時間短縮は無視して、CEA,Muc-1によるがん細胞の検出を試みている。臨床応用までに解決すべき問題が4つ明らかになった。 (1)手術組織は、摘出までに虚血にさらされた時間が長いためか、いくら迅速に組織を処理してもすでにRNA分解が進んでいることが多く、RT-PCR反応が安定して行えない。 (2)間質増生を強く伴ったスキルス胃がん等は、組織中に含まれるがん細胞の数が少なく、一度のRT-PCR反応では検出が出来ない症例が多い。 (3)(2)の問題を解決するためにNested RT-PCR等を行うと、(4)の様に非がん部での検出率が上がってしまい、正常-非がん部の差がさらに少なくなる。 (4)非がん胃組織にもCEA,Muc-1分子が発現しており、これらの分子発現がリンパ節にみられた場合、即がんの存在と診断して良いかは、今の所結論着けられない。 これらの問題を解決するために、Microdisectionを使って間質細胞を除去して解析することや、定量RT-PCRを使って、がん-非がんのcut-off値を設定することを現在検討中である。
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