1997 Fiscal Year Annual Research Report
抗癌ヒトモノクローナル抗体および抗イディオタイプ抗体の消化器癌に対する抗腫瘍効果
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09770930
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
幸田 圭史 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (50260477)
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Keywords | colon cancer / human monoclonal antibody / anti-idiotypic antibody / vaccine |
Research Abstract |
ヒト型IgMモノクローナル抗体SK1はヒトの癌に発現する42-46KDaの糖タンパクを認識する。本年度はこの抗体に対するイディオタイプ抗体(Ab2)、抗抗イデォオタイプ抗体(Ab3)の作成とその特性について検討したので報告する。1、抗イデォオタイプ抗体(Ab2)の作成:Balb/cマウスを190μgのSK1とFCAにて1回、同量のSK1とFIAにて1回、さらにSK1単独にて1回、計3回免疫した。この脾細胞を採取しマウスミエローマ株Sp2/0と細胞融合しハイブリドーマを作成。本法によりSK1のF(ab′)_2フラグメントに反応し、且つポリクローナルヒトIgMに反応せず、さらにSK1の癌細胞への反応性を濃度依存的に抑制するマウスIgG1型モノクローナル抗体3種(ASK-22,ASK-55,ASK-62)を得た。2、抗抗イデォオタイプ抗体(Ab3)の作成:上記3種のAb2よりFabフラグメントを作成し、これをラットに免疫することでAb3を含む抗Ab2血清を採取した。この血清は固相化SK1に対するAb2の反応性を濃度依存的に抑制し、且つSK1の大腸癌株に対する反応性を濃度依存的に抑制した。免疫前の血清にはこれらの反応を認めず、この抗血清がAb3を含むものと結論した。3、マウスに対するAb2接種の影響:3種のAb2をFCAと混合しマウス1匹当り抗体100μg相当を2週に一度、計3回皮下注射し免疫した。最終免疫より1週間後、SK1認識抗原弱陽性のcolon26マウス大腸癌株を10^6個皮下に接種し発育を観察した。3種のAb2抗体のうちASK-55、ASK-63接種群において著明な腫瘍発育抑制効果を認めた。4、今後の計画:上記の免疫マウスの血漿成分、ないしは白血球+血漿成分をヒト大腸癌株移植ヌードマウスに輸注し上記腫瘍増殖抑制効果が如何なる分画によりmediateされているのか、また細胞分画であった場合にはその詳細につき検討したい。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Koda K.: "Animal Cell Technology : Basic and Applied Aspects" K.Nagai and M Wachi (eds),Kluwer Acodemic Publishers,Netherlands, 398 (1998)