1998 Fiscal Year Annual Research Report
新しい染色体解析法(CGH法)を用いた胃癌の染色体異常の解析と遺伝子診断への応用
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09770948
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
阪倉 長平 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (10285257)
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Keywords | CGH / 染色体異常 / 遺伝子増幅 |
Research Abstract |
前年度までに、我々はCGH法を標準化し、食道癌、胃癌、胃平滑筋肉腫、大腸癌、転移性肝癌、肝細胞癌など各種消化器癌の染色体遺伝子異常の解析を行なった。今後、さらに症例数を増やして、個々の癌の染色体遺伝子診断に有用な病型特異的ゲノム異常を検索した。 これまでの胃癌臨床検体72例の解析結果では、既知の変化とは別に、8p23.1をはじめ現在のところ標的候補遺伝子が明らかでない高頻度の変化を示す染色体領域が複数の箇所で同定された(Sakakura et al.,Genes Chromsom Cancer in press)。これらの領域には増幅変化によって胃癌の発症や進展に機能する遺伝子が存在するものと予想される。このうち8p23.1の新規増幅領域に関しては、ハイブリッドセレクションを行い、新規増幅遺伝子を単離した(Sakabe et al.,Cancer Res., in press)。これはhelix-loop-helix構造を有し、IGFと約60%のホモロジーを有していた。 また8p23.1以外の新規増幅領域の中には、既知の遺伝子で未だ消化器癌への関与が報告されていない細胞周期調節やシグナル伝達に関係した遺伝子(AIB1,BTAK,AUR 1など)を含むものもあった。これらの遺伝子の増幅や発現を検索し、臨床病理学的因子との関連を調べたところ有意にリンパ節転移、肝転移、予後に差が認められた。AIB1を含むエストロゲンレセプターシグナル伝達系とBTAKによるanuploidy発生が胃癌の悪性化に関与している可能性が示唆された。
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[Publications] Sakakura, C et al: "Gains, Losses and Amplification of Genomic Materials in Primary Gastric Cancers Anclyged by Comparative Genomic Hybridization" Geres Chromosomes & Cancer. (in press).
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[Publications] Sakakura, C et al: "Chromosomal abeuations in human hepatocellular corcinomas associated with hepatitis C infection by comparative geromic hybridization" Brital Journal of Cancer. (in press).