1997 Fiscal Year Annual Research Report
MAGE-3抗原提示樹枝状細胞を用いたHCCに対するCTL誘導の試み
Project/Area Number |
09770969
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
大坪 毅人 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80203850)
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Keywords | 樹状細胞 / 免疫療法 / CTL / MAGE-3 |
Research Abstract |
本年度は最初にヒト肝細胞癌患者からの自己樹状細胞の分離培養系の確立を研究した。肝細胞癌患者自己末梢血よりFicoll-Perque比重遠心分離法にて単核細胞層を採取し、37度にて2時間静置培養し非付着細胞を取り除き、ヒトGM-CSF及びIL-4添加培養液にて7〜10日培養して成熟樹状細胞を誘導した。この樹状細胞は樹枝状の突起を有し、CD11b,CD14,CD83,HLA-A,B,C,HLA-DR,CD80(B7.1),CD86(B7.2)の表出をFACSにて認めた。この樹状細胞を自己肝細胞癌でパルスして自己リンパ球と混合培養することにより自己腫瘍特異的な細胞障害活性を有するCTLが誘導可能であった。 次に肝細胞癌におけるMAGE-3抗原の発現を調べるために、新鮮肝細胞癌のtotalRNAを抽出し、RT-PCRにてMAGE-3mRNAの発現を検索した。またそれぞれの症例でHLAをタイピングした。実験対象としている培養肝細胞癌株のMAGE-3mRNAの発現を同様にRT-PCRで検討した。 MAGE-3抗原ペプチドの合成はすでに海外で臨床に使用されているアミノ酸配列を利用して合成した(FLWGPRALV)。このペプチドは現在臨床試験が開始されており、今後我が国での臨床治療に向けて安全性の評価が可能なペプチドであると考えられる。 平成10年度にはMAGE-3抗原ペプチドにてパルスした自己樹状細胞を用いてCTLを誘導し、その自己肝細胞癌、MAGE-3抗原陽性肝細胞癌株に対する細胞障害活性と抗原特異的Type1/Type2サイトカイン産生能を評価する予定である。
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