1997 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシスとテロメラーゼ活性を指標とした大腸癌の増殖活性亢進機構の解明
Project/Area Number |
09770979
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
船井 貞往 近畿大学, 医学部, 助手 (00238651)
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Keywords | 大腸癌 / 増殖活性 / アポトーシス / テロメラーゼ活性 / Flow cytometry / DNA ploidy / p53 |
Research Abstract |
1)DNA aneuploidy大腸癌における増殖活性亢進の機序の解明,2)細胞周期の増殖活性亢進状態におけるp53蛋白発現,アポトーシス,テロメラーゼ活性およびテロメア長の関連性の検討,3)Flow cytometry(FCM)の分取機能を利用した正確な癌細胞のテロメラーゼ活性検出法の確立が研究の目的である.平成9年度は大腸癌の培養細胞をもちいた基礎実験をおこない,最終的に臨床検体からの解析を可能となるような方法を確立すべく実験をおこなった.現時点において解決すべき問題が生じている.FCMを用いて核DNA量,p53蛋白発現,アポトーシス,サイトケラチンを同時測定するためにはDNA蛍光色素と蛍光抗体の4重染色が必要となる.それぞれの蛍光が重複しないような蛍光色素の選別が必要であり,蛍光強度が十分に得られる蛍光色素の組み合わせを検討している.またFCMの分取機能を利用するにあたって,抗サイトケラチン抗体を用いて大腸癌培養細胞に混じたリンパ球と培養癌細胞とを分別しているが,抗サイトケラチン抗体が細胞内に入るためにはアルコールなどの細胞固定の操作が必要となる.このためテロメラーゼ活性の測定ができない.固定処理は,細胞膜にholeができることで抗体の細胞内移行を可能にする.これは,サイトケラチンに限らず細胞内抗原や核内抗原を抗体を用いて検索する際に必須な処理である.そこで界面活性剤を用いて界面活性剤が細胞膜にholeをあける性質を利用して検討をおこなっている.
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