1998 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシスとテロメラーゼ活性を指標とした大腸癌の増殖活性亢進機構の解明
Project/Area Number |
09770979
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
船井 貞往 近畿大学, 医学部, 助手 (00238651)
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Keywords | 大腸癌 / 増殖活性 / アポトーシス / テロメラーゼ活性 / DNA ploidy / p53 / Flow cytometry |
Research Abstract |
平成10年度は、平成9年度の問題点を解決すべく実験をおこなった.Flow cytometry(FCM)を用いて核DNA量,p53蛋白発現,アポトーシス,サイトケラチンを同時測定するための適切な蛍光色素を選別すること,細胞固定を行わずに細胞・核内抗原を検出することが平成10年度の課題であった.FACSCalibur^<TM>flow cytometerは,duallaserを使用することが可能であり,FITC(アポトーシス),PE(p53),7-amino-actinomycin D(DNA),APC(サイトケラチン)を蛍光色素に用いた.FITC,PEは直接標識抗体を用い,APCはビオチン化抗体を用いた.細胞固定を行わずに細胞・核内抗原を検出するために膜透過処理にジギトニンを使用した.アポトーシスの検出に際してはTUNEL法ではなく,ミトコンドリア膜に発現する7A6抗原を認識する抗体を用いた.大腸癌の培養細胞を用いた実験では,核DNA量,p53蛋白発現,アポトーシス,サイトケラチンの同時測定が可能となった.また,ヒト末梢血リンパ球を混合して細胞分取が可能となり,テロメラーゼ活性を測定することができた.なお,ヒト末梢血リンパ球に関してはテロメラーゼ活性は証明されなかった. 臨床検体については,細胞分離の段階での細胞回収率が悪く,FCMを用いた多重解析を行うにあたって十分な細胞数が得られない,組織を多く採取しても得られるhistogramやdot plotの解折に難渋することが少なくないなどの問題点がある.現時点では実用性に欠けるため,テロメラーゼ活性を温存しつつ細胞回収効率を改善するような細胞分離法を検討している.
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