1997 Fiscal Year Annual Research Report
エンドセリンレセプター拮抗剤による心停止後摘出肝の細胞保護効果に関する研究
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09770980
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
山中 潤一 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (90289083)
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Keywords | 肝移植 / 心停止 / エンドセリン / 虚血障害 / ラット |
Research Abstract |
[目的]臓器移植法が制定された今日、本邦における脳死肝移植を推進するために、ドナー・ソースの拡大が急務である。今回、エンドセリン(ET)受容体拮抗剤であるTAK-044が、心停止後摘出肝の機能保護に有用か否かを明らかにすることを研究目的とし、そのpreliminary studyとしてまず同所性移植肝に対するTAK-044の細胞保護効果について検討した。[方法]エーテル麻酔下に、Wistar系雄性ラット(250〜300g)を用い、鎌田らのカフ法により、同所性全肝移植をおこない、TAK-044投与群と非投与群の間で、1)肝機能、2)血中エンドセリンおよびTAK-044濃度、3)肝組織中TAK-044濃度、4)光顕および電顕による組織形態的変化を比較した。全肝グラフトを移植する直前に門脈から注入するリンス液にTAK-044(10mg/kg)を加えた群とそうでない群の2群を設定した。肝動脈は再建しなかった。TAK-044投与群と非投与群の間で、再潅流後1、3、6、24時間、7日目に犠死させ、肝機能、血中エンドセリン・TAK-044濃度、肝組織中TAK-044濃度、組織形態的変化を比較した。肝組織中ET-1濃度はモノクローナル抗体を用いたEIAで測定し、TAK-044濃度はポリクローナル抗体を用いたEIAで測定した。組織形態については、イメージアナライザにより、zone2における肝細胞面積比率および類洞径を測定し、比較した。[結果]TAK投与群では非投与群に比べ、肝移植後の血清中ET-1濃度はup-regulationにより高くなるがGPT値は有意に低く、また形態計測上も、肝細胞の膨化および類洞狭少化が有意に抑制された。以上の結果を踏まえ、今後長期冷保存肝および心停止後摘出肝の虚血障害の軽減に、TAK-044が有効であるか否かを検討する予定である。
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