1997 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌の代謝を応用した新しい化学療法剤の作製とその効果
Project/Area Number |
09770982
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
石井 博 久留米大学, 医学部, 助手 (70248425)
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Keywords | methionine / mitomycin C / methionine free |
Research Abstract |
1.methionine-mitomycinC conjugateの作製 市販のmitomycinC(MMC)を標品dimethyl formamide(DMF)に溶解し、DMFに不溶である標品に添加されているNaClを遠心によって除去した。Fmoc-methionine(Fmoc-Met),hydroxy-benzotriazole(HOBt),dicyclohexyl carbodiimide(DCC)を混和し、4℃で20分,遮光下で震盪後、これにMMCを加え4℃で24時間遮光下で反応させ、Fmoc-Met-MMCを合成した。薄層クロマトグラフィー(TLC)でFmoc-Met-MMCが合成されたことを確認後、更に高速液体クロマトグラフィーにより精製した。Fmoc-Met-MMCをpiperidineと反応させることによりFmocを除去し、Met-MMC conjugate(Conj)を得た。質量分析(Mass)によりFmoc-Met-MMCの実測値と推計質量の一致をみた。更に、Mass並びにNMRによるConjの構造決定もほぼ完了した。 2.In vitroにおける実験 ヒト食道扁平上皮癌(KE-3)を用い、1wellあたり6×10^4cell/mlの細胞を培養用96穴平底マイクロプレート内で、48時間培養(5%CO_2,37℃)し、methionine free培養液と通常培養液の2群に分け6〜12時間培養後、各群各種濃度のMMCおよびConjをそれぞれ添加し、24時間培養した後、上清を捨て、さらに新たに通常の培養液を加えて36時間培養後、生細胞数と死細胞数をcountし、%生細胞数を算出し、殺細胞効果を検討している。Met-MMC conjugateは、MMC単独投与に比べて、有意な殺細胞効果を示す結果を得つつある。
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