1997 Fiscal Year Annual Research Report
ラット神経膠腫モデルによるB7遺伝子ワクチン療法の基礎的研究
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09771029
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
栗原 秀行 群馬大学, 医学部, 助手 (30261853)
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Keywords | glioma / gene therapy / adeno virus / cre-loxp system / restin |
Research Abstract |
神経膠腫に特異的に発現している中間径フィラメントの一つnestinは正常脳組織では血管内皮細胞などにまれに発現しているのみであるが、神経膠腫では腫瘍細胞や内皮細胞に強く発現し、最も悪性の神経膠芽腫で最も強く発現している。この nestin promoter を組み込んだ発現ユニットをアデノウイルスに組み込み、腫瘍摘出腔内に投与すれば神経膠腫細胞に選択的な遺伝子発現が期待される。ただし、nestinの転写活性は比較的低いと予想されるため、直接このpromoterで蛋白質を発現しても十分な遺伝子発現は期待しがたい。そこで、遺伝子転写のon-offを行うシステムとして東京大学医科学研究所斉藤泉博士らが開発したcre-loxPシステムを用いた。 現在広く用いられているrat C6 glioma ce11 の脳内移植モデルを用いて治療実験を行うために、rat C6 glioma cellから得られたcDNAをもとに、rat genomic library より rat nestin promoter,enhancer を cloning した。次いで、rat nestin promoter,enhancerの下流に cre を組み込んだ発現ユニットを持つ adenovirus vector と、現在最も強力な promoter の一つである CAG promoter の下流に loxP による on-off 領域、ついで、herpers tymidine kinase 遺伝子、又は、control として lacZ遺伝子を組み込んだアデノウイルスを作成した。 このcre,loxp それぞれを有するアデノウイルスを二重感染させると、nestinを発現している細胞のみで、creが発現し、これによってもう一方のアデノウイルスの loxp にはさまれた、stopcodon が取り除かれ、強力な CAG promoter によって目的とする遺伝子が強力に、かつ特異的に発現されることが期待される。
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