1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771030
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
高橋 章夫 群馬大学, 医学部, 助手 (60261856)
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Keywords | 視床腹中間核 / 電気刺激 / 振戦 / 微小電極法 |
Research Abstract |
難治性の手の振戦に対する定位脳手術(選択的視床腹中間核手術)を行ったパーキンソン病29例と本態性振戦7例について,微小電極を用いて脳深部電気活動記録と高頻度電気刺激による振戦への効果を検討した.対側末梢の自然刺激に反応するニューロンがとらえられた部位(A群 : 手関節の屈曲伸展による反応が得られた部位,B群 : 手関節以外の上肢関節の運動に対する反応が得られた部位,C群 : 下肢の運動に対する反応が得られた部位)で,1秒間の高頻度電気刺激(100Hz)を行い、刺激側と対側の前腕伸筋群、屈筋群の筋電図をモニターしながら,振戦が停止する閾値や筋電図上の変化を観察した。 全刺激点のなかで振戦に影響を与えたのは86部位中60であり、その内訳はA群20(19人)、B群26(23人)、C群14(11人)であった。1秒間の高頻度電気刺激の結果は,A群では前腕伸筋群または屈筋群に筋電図上最も早い潜時で異常群化放電の振幅低下に続いてdesynchronizationがみられ、拮抗筋には一時的な振幅増大と周波数の増加が認められた。B群では屈筋群伸筋群とも一時的な振幅増大と周波数増加に続いて振幅の低下が観察された。振戦を抑制する閾値電流は明らかにB群よりA群が低かった(0.098±0.064mA<0.165±0.118mA)。C群では電気刺激により振幅増大と周波数の増加のみが見られ振戦は増強した。標準アトラスのVim矢状断像にプロットすると、振戦が増強する部位(C群)は抑制される部位(A,B群)より背外側部に位置していた。 今回の急性電気刺激の結果からは、手の振戦に最も関与している筋に対応する運動感覚性ニューロンの存在する部位での電気刺激が振戦の抑制に最も有効であり、その部位から背外側方向に離れるにつれ、手の振戦を増強する効果が強調されることが推定された。
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Research Products
(1 results)