1997 Fiscal Year Annual Research Report
悪性下垂体腫癌細胞モデルを用いた下垂体腫瘍の悪性化機構の分子生物学的解明
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09771047
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
秋野 公造 長崎大学, 医学部, 助手 (60284668)
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Keywords | 下垂体腫瘍 / 下垂体腺癌細胞株 / 下垂体腺腫細胞株 / RT-PCR法 / チロシンキナーゼ遺伝子 / 分子生物学 |
Research Abstract |
Diffential Display法による差異が確認できなかったため、方法を変更した。下垂体腫瘍にRasの異常が少ないことから、Ras-MAP系の上流にある受容体型チロシンキナーゼ、非受容体型チロシンキナーゼ遺伝子の機能解析を行う目的で、従来の既知の受容体型トロシンキナーゼ領域のアミノ酸相同性を利用したプライマーを作製し、RT-PCRの遺伝子増幅を行うことにより、その発現プロフィールを調べることにした。正常下垂体、GH3細胞、mGH3細胞からそれぞれ得られたPCR産物をサブクローニングし、それぞれ、塩基配列を決定した。その結果、正常下垂体では、既知のチロシンキナーゼ活性を有する遺伝子のなかでIGF-I、非受容体型チロシンキナーゼ遺伝子ではc-ablが多く発現しているが、この正常パターンに対し、GH3細胞、mGH3細胞ではその発現パターンに変化が見られた。即ち、正常で発現の多いIGF-I受容体は腫瘍化に伴いその発現を減少するが、HGF、VEGF受容体は、発現が増加する。中には、神経発生と密接な関係のあるEph familyも腫瘍増加に伴って発現増加するが、これらのリガンドの下垂体機能については未知である。これらの受容体型、非受容体型チロシンキナーゼ遺伝子の下垂体のおける正常機能、腫瘍化、悪性化の役割は未解明であり、今後の解明が、in vitro、in vivoで必要である。 次年度で、発現パターンに差が見られたもにに対しては、ノーザンブロット法等で確認を行う。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 山下俊一: "下垂体腫瘍の分子機構" ホルモンと臨床 97冬季増刊号. 25-29 (1997)
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[Publications] 佐野寿昭: "下垂体腫瘍の湿潤性・悪性化機転" ホルモンと臨床 97冬季増刊号. 74-77 (1997)
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[Publications] Kozo Akino: "Distribution of parathyroid hormon-related peptide and its receptor in the saccus vasculosus and chorold plexus in the red stingray(Dasyatis Akajei:Elasmobranch)" Molecular and cellular neurobiology. (in press).