1997 Fiscal Year Annual Research Report
頭部外傷におけるCNTFによるタイプ2アストロサイトの分化誘導の解析
Project/Area Number |
09771059
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
星 道生 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00265844)
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Keywords | ciliary neurotrophic factor(CNTF) / type1 astrocyte / type2 astrocyte / O-2A progenitor cell / injury |
Research Abstract |
CNTF(ciliary neurotrophic factor)は分子量が23kDaで、毛様体神経節細胞、感覚神経、運動神経、交感神経、副交感神経の神経細胞の生存を促進する。中枢神経では type 1 astrocyteの細胞質に存在するが、構造上signal peptideを持たないため、物理的な損傷を受けた場合に細胞外へ放出されると推測される。またCNTFは、0-2A progenitor cellからtype2 astrocyteへの分化を誘導する因子としても知られている。 本研究では、新生仔ラット大脳から調製した初代培養細胞を用いたin vitroの外傷モデル(scratch wound model)において、外傷時におけるCNTFの放出とtype2 astrocyteへの分化について検討した。 その結果、1)type1 astrocyteの細胞質に存在するCNTFは、ウェスタンブロット解析にて損傷後3日間培養した上清から検出されること、2)外傷部位の近傍(掻爬した辺縁から500μm以下)でtype2 astrocyteへの分化が誘導されていること、3)培養上清に抗CNTF抗体を添加すると外傷近傍でのtype2 astrocyteへの分化が抑制されることが明らかとなった。中枢神経損傷後にastrocyteの増加が認められる一方でその際のastrocyteの増殖能は高くないことが知られている。以上の結果から、外傷時のastrocyteの増加にはtype1 astrocyteから放出されるCNTFを介したO-2A progenitor cellからtype2 astrocyteへの分化が関与している可能性が示唆された。
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