1998 Fiscal Year Annual Research Report
難治性慢性硬膜下血腫の成因に関する形態学的、生化学的研究
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09771073
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
高橋 禎彦 久留米大学, 医学部, 助手 (40248430)
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Keywords | chronic subdural hematoma / outer membrane / scanning electrone microscopy / immunohistochemical study |
Research Abstract |
慢性硬膜下血腫症例は12例でありそのうち再発症例は2例であった。手術時採取したのは再発症例を含め10例である。男性7例、女性3例であり年齢は65歳から80歳であり平均71.3歳であった。試料は手術中に血腫外膜を損傷しないように摘出した。前年度と同様に走査、及び透過電子顕微鏡用の試料を作成した。また光顕試料は免疫組織学的にFGF,VEGFの抗体を用いて反応をみた。透過電子顕微鏡所見では皮膜内には多数の洞様血管が多数認められた。その内皮細胞は有窓性で、多数の赤血球が認められた。その間質には多くの膠原線維が認められた。走査電子顕微鏡で観察すると蜂の巣状に線維が走行していた。しかしながら内膜側に移行するにつれ膠原線維の層は薄くなり血管の補強という点からは内膜にいくにつれ血管は脆弱になると考えられた。これらの結果についてはGeriatric Neurosurgery vol10.に掲載された。免疫組織学的には5例の試料についておこなった。FGFでは皮膜内洞様血管外に多く反応が認められた。VEGFはやはり皮膜内、とくに硬膜側に多く反応が認められた。免疫電顕では金コロイド法による包埋前法で施行しているが、一部症例については線維芽細胞にFGFの反応がでるが別の症例では反応が見られずその結果については一定しない。またVEGFについては皮膜内洞様血管内皮細胞内に反応が見られた。FGFと同様に反応が陽性と陰性の血管がある。また陽性の血管についても硬膜側に多く存在していた。これらの結果は血腫皮膜が硬膜から形成されることを示していると考えられる。これら免疫組織学的結果について全症例について検討中である。
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Research Products
(1 results)