1997 Fiscal Year Annual Research Report
前十字靭帯損傷膝における膝関節回旋機運動機能の解析
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09771090
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浦辺 幸夫 広島大学, 医学部, 助教授 (40160337)
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Keywords | 膝前十字靭帯 / スポーツ動作 / 膝関節回旋角度 / 3次元解析 / ACL |
Research Abstract |
膝前十字靭帯(ACL)損傷が発生するのは,ストップ動作,ジャンプ動作,着地動作,方向変換動作などのスポーツ動作である。本年度は基礎的データを得るための測定を主に行った。対象は男女5名ずつ計10名の膝に既往のない者である。坐位での非荷重下で膝関節の伸展動作,および立位での荷重下でストップ動作時の膝関節の屈曲動作を磁気センサー式3次元空間測定装置を用いて測定した。 その結果,非荷重下と荷重下での回旋角度では危険率5%以下で有意に後者の回旋角度が増加した。このことは荷重下でのスポーツ動作でより大きな回旋力が膝関節に加わり,ACLにも相応のストレスが加わることを示していると考えられる。 さらに,ACL損傷者に対して用いているテ-ピングを行い,回旋角度を減少させられるかを検討した。その結果,非荷重下では危険率5%以下で有意に回旋角度が減少することが確認できたが,荷重下では回旋角度が減少するものの有意差は認められなかった。したがって,ACL損傷者に対してスポーツ活動中の膝関節への回旋ストレスを減少させるのは,従来用いているテ-ピング方法よりよりより強固な制限を加える方法や材料の開発が必要であることが示唆された。 本年度がACL損傷の既往のない対象で基礎的なデータを収集したが,現在ACL損傷者を対象として,再建術前後での回旋角度の変化について継続して測定中である。
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