1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771093
|
Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
伊藤 理 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (90243766)
|
Keywords | 軟骨 / 移植 |
Research Abstract |
我々は以前より、家兎を用いて遊離自家肋軟骨移植モデルを作製し、移植床皮膚の性状を変化させて軟骨の生着条件や再生能を比較検討してきた。その結果、移植軟骨の生着に軟骨膜が大きな役割を果たしていることが示唆された。今年度は、同家兎モデルを用いて保存条件が移植軟骨に与える影響、移植床の血流との関連等をさらに詳細な解析を加えて検討している。 成熟白色家兎オス30羽を3群10羽ずつに分けて、局麻後、右胸部より第7肋軟骨を採取し、実体顕微鏡下で軟骨を拡大して丁寧に扱い、半周のみ軟骨膜を付加して鼻背部皮膚下に挿入した。その場合、3群を(1)低温(4℃)保存群、(2)常温保存群、(3)高温(40℃)保存群に分け、さらに軟骨を(a)生理食塩水浸漬と(b)室内空気暴露の2タイプ、そして保存時間を1、3、6、12、24、48時間として自家移植した。各群を2タイプ5匹ずつとし、それぞれに保存時間を変えた軟骨片を5片移植することになる。全群とも移植1カ月目に軟骨を取り出し、移植前との重量比較、組織学的検討、及び分光学的にDNA、コラーゲン含量を測定して、移植軟骨の生着程度や変化を検討した。 その結果、(1)(2)群の(a)(b)間に差はみられなかったが、(3)(b)群の24時間以上の保存時間のものは壊死していた。現在、移植後6ヶ月目のものについて検討中である。
|