1997 Fiscal Year Annual Research Report
同種骨移植を用いた人工股関節再置換術に関する実験的研究
Project/Area Number |
09771103
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小林 章郎 大阪市立大学, 医学部, 助手 (70285287)
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Keywords | 人工股関節置換術 / ゆるみ / 同種骨移植 / 海綿骨 / 骨リモデリング / 動物実験 |
Research Abstract |
本年度は動物実験を行う前の予備実験として同種海綿骨そのものの力学的特性を調べるため、種々のサイズに粉砕した同種骨を用いて、それを圧密した標本を作製し、その力学的特性を計測した。標本の作製に先立って、模擬骨による実際の手術手技を再現し、その過程で海綿骨を圧密する時どれくらいの衝撃力が加わるかを測定し、その値に従って円柱状の海綿骨圧密標本を作製した。結果は海綿骨の粒子サイズが不均一で大きな粒子と小さな粒子が混在する方が、圧縮及び剪断に対する力学的強度が高いことがわかった。 つぎに模擬骨を用いて実際の手技に従って同種海綿骨を圧縮し、大腿骨のコンポーネントを挿入した標本を作製し、その圧縮および回旋方向の安定性について力学試験を行ったところ、これも海綿骨の粒子サイズが不揃いな方が強度が高いことを示した。 本実験の主目的である圧密同種海綿骨のリモデリングに関しても、その粒子サイズの違いがあると考えられるので、力学的試験のデータを参考にして実験条件を検討した。動物実験の準備としては、現在のところ、この手術手技を既存の手術機械で再現し的確に行うことが困難なため、動物用の特殊な手術機械のデザイン及び作成、また実験用インプラントのサイズの調査、デザインや手術法の検討、インプラントの作成を行った。実際に動物にインプラントを挿入するのは本年度の終わりから開始し、平成10年度に行う予定である.インプラントの動物体内に挿入する期間は3,6,12ヵ月を予定している。
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