1997 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症予防のための骨荷重量に基づいた運動療法プロトコルの作成
Project/Area Number |
09771107
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
大渕 修一 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (50265740)
|
Keywords | 骨粗鬆症 / 運動療法 / 力学解析 / 運動学 |
Research Abstract |
骨量維持のための運動療法はホルモン療法、食餌療法と並んで予防の一つの柱でもあるものの、骨粗鬆症患者や閉経後女性ではその介入効果は明確でない。その原因の一つに介入運動の負荷量が不適切であったことがあげられる。これまでの介入研究の多くは有酸素的運動負荷量をもって処方量としているが、これは必ずしも骨への負荷量を示すものとは言えない。そこで、本研究では骨の荷重量に基づいた運動プロトコルを作成することを目的に衝撃運動中の力学的分析を行った。 健常成人女性20名を対象に、数種類の衝撃運動(台からの飛び降り、階段昇降、垂直飛び、踵の上げ下げ)時の大腿骨近位部の荷重量を求めた。それぞれの運動は台の高さ(10cm,20cm,30cm)、膝の状態(通常位、伸展位)を変化させた。 大腿骨近位部の骨長軸に対する荷重は、30cmの台から膝伸展位で飛び降りる場合が最も高く(平均1389N)、逆に最も低いのは毎分40回の踵の上げ下げ(平均483N)であった。各運動の平均値と標準偏差から変動係数を求めると、垂直飛びや、台からの飛び降りの多くは変動係数が大きく運動介入として用いることは不適であることが分かった。そこで変動係数0.35を基準に運動を選択すると、荷重量の低いものから毎分80回の膝通常位での踵の上げ下げ、毎分40回膝伸展位での踵の上げ下げ、毎分80回膝伸展位での踵の上げ下げ、全ての階段昇降、膝伸展位での10cmの台からの飛び降りが抽出された。 さらに、骨への荷重量を従属変数に、運動の種類を独立変数とした一元配置の分散分析を行ったところ、毎分80回膝通常位での踵の上げ下げ、膝通常位で20cmの階段昇降、膝進展位での20cmの階段昇降、膝伸展位での10cmの台からの飛び降りが有意に荷重量の異なる運動として分類された。
|