1997 Fiscal Year Annual Research Report
多核巨細胞形成におけるサイトカイン及び接着分子の役割
Project/Area Number |
09771116
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
南雲 剛史 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40237566)
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Keywords | 多核巨細胞 / サイトカイン / 接着分子 / 骨巨細胞腫 / マクロファージ / 破骨細胞 |
Research Abstract |
1、単球-Mφ系の細胞の融合に関連するサイトカイン:骨巨細胞腫培養上清の各サイトカイン濃度は平均で、IL-1βが45.1pg/ml、IL-6が70.8ng/ml、IL-8が7.81ng/ml、IL-10が28.8pg/ml、M-CSFが630pg/ml、TGF-β1が40.2pg/ml、MCP-1が451ng/mlであった。またIL-3、IL-4、IL-13、TNFα、IFNγは検出不能であった。IL-8、M-CSF、MCP-1についてはWestern blottingもl行い、各サイトカインの分子量に一致したバンドを認めた。またRT-PCRではIL-1β、IL-6、IL-8、MCP-1、TGF-β等のmRNAの発現を認めた。これらのサイトカインは単球-Mφに作用しうるものと考えた。 2、単球-Mφ系の細胞の融合に関連する接着分子:我々の樹立した骨巨細胞腫細胞株とヒト末梢血単球との共存培養により形成された多核巨細胞及びその過程にあるMφは対照と比較してCD54、CD71、HLA-DRの染色性の増強を認め、融合におけるこれら分子の関与が示唆された。 3、抗サイトカイン抗体、抗接着分子抗体による中和実験:抗IL-1β抗体、抗IL-6抗体、抗CD4抗体(anti-Leu-3a)、抗CD14抗体(anti-Leu-M3)により、多核巨細胞形成が阻害された。多核巨細胞形成におけるこれらサイトカインと接着分子の関与が示唆された。 4、破骨細胞様細胞の形質:我々の共存培養系において形成される多核巨細胞は破骨細胞の特異的マーカーであるカテプシンKを発現していた(RT-PCR法)。 5、骨巨細胞腫培養上清の単球遊走活性:上清は単球遊走活性を示し、これは抗MCP-1抗体処理にて一部抑制された。骨巨細胞腫は宿主の単球をrecruitしている可能性が示唆された。
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