1998 Fiscal Year Annual Research Report
ムチランス型リウマチ滑膜細胞に発現する一過性関節破壊因子(ムチランス誘導蛋白)の解析
Project/Area Number |
09771123
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
田辺 隆敏 関西医科大学, 医学部, 助手 (50268356)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / 骨吸収 / 滑膜細胞 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
平成6年から予備実験を開始し、平成9年度から科学研究費補助金の交付を受けてきた本研究であるが、まだ蛋白の精製、および構造決定には至っていない。しかしながら、途中経過までの実験結果を整理し、現在投稿準備中である。従って、我々のグループの研究経過をまとめて報告する。まず、我々は(a)ムチランス部位より採取した滑膜細胞の培養開始一週後、培養上清を採取し濃縮後セファデックスG・15カラムにてゲル濾過し、分子量勾配に従って再び採取したサンプルを準備した。象牙片上に培養した破骨細胞に準備したサンプルを添加し、吸収孔形成への影響を測定したところ、コントロールと比較し有意に骨吸収が亢進した。(b)吸収孔形成の促進作用が認められるサンプルチューブを電気泳動法にかけ、含有する物質の分子量を確認したところ、lkDの破骨細胞活性化機能を有する活性蛋白質を確認した。(c)DE52カラムを用い、電気極性にてさらに含有蛋白を細分化し精製した後、再度破滑細胞培養系に添加し、破骨細胞活性化作用を確認した。 以上の結果、我々は、ムチランス部位より採取した滑膜組織中より破骨細胞活性化作用を有し、約1kDの分子量を持つ活性蛋白質の分離に成功し、この因子の作用はIL・1RAや抗GPl30中和抗体等の破骨細胞活性化サイトカインの阻害薬で抑制を受けなかった。 これらの事実より、ムチランス型急速骨吸収はこの活性蛋白質の発現による破骨細胞活性化を介して発生する可能性が示唆された。今後、更に標的蛋白の精製作業を進め、アミノ酸配列の決定を急ぐ予定である。
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