1997 Fiscal Year Annual Research Report
悪性高熱症における遺伝子変異スクリーニングに関する研究
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09771157
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
前原 康宏 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (20238877)
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Keywords | 悪性高熱症 / 遺伝子変異 |
Research Abstract |
研究代表者は,以前より本邦における悪性高熱症素因が疑われる症例より,ゲノムDNAを採集してきた.これまでの収集症例のゲノムDNAは約50例であり,本年度にも数例の悪性高熱症の疑いのある症例から,血液標本を収集できた.まず,その収集検体から,ゲノムDNAの抽出を行った.本年度研究費により,Single strand conformation polymorphism(SSCP)法を行うためのシステムを購入した.また,これまで骨格筋リアノジン受容体遺伝子上の悪性高熱症の素因と関連すると報告されてきた領域のPCR法用のプライマーを6組合成した.これにより,上記遺伝子領域の変異のスクリーニングを開始するため,現在までにシステムの条件設定のための実験を継続している.素因確定のためには,確実のスクリーニング結果が必要であるので,安定した結果が確実に得られる様な条件を探索している.また,本年度の症例に関しては,生検骨格筋のスキンドファイバー標本に対し,Ca-induced Ca release法を用いて悪性高熱症素因の検索を行ってきた. この様に,スクリーニングシステムは未だ条件設定中であり,論文等による発表には至っていない.しかし本研究の継続により,悪性高熱症例のレトロスペクティブな検討を加えることができ,関連する因子等についての知見が得られ,分担執筆図書および日本臨床麻酔学会,悪性高熱症研究会において発表した.今後,スクリーニングシステムの至適条件が得られ次第,収集してきた全検体のスクリーニングを開始する予定である.
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