1997 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素種曝露にともなう培養血管内皮細胞障害の病態生理学的機序の解明 -細胞傷害責任活性酸素種の同定と細胞内カルシウム濃度変化の関与-
Project/Area Number |
09771160
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
東 俊晴 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (60284197)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 細胞障害 / カルシウムチャネル / 活性酸素種 |
Research Abstract |
血管内皮細胞は急性炎症性の臓器障害における炎症担当細胞(好中球や単球・マクロファージ)のprimary targetであり,これらの細胞が発生する活性酸素種は,臓器血流不全の要因である内皮細胞障害に強く関与している.われわれは今年度の研究により,1.活性酸素種曝露に引き続いて内皮細胞内カルシウム濃度が持続的に上昇すること.2.カルシウムチャネルブロッカーにより細胞内カルシウム濃度の上昇がブロックできることから,活性酸素種は細胞壊死により細胞構造を破壊するよりも低濃度で内皮細胞のカルシウムチャネルを活性化し,細胞内カルシウム濃度を上昇させることを確認した.またわれわれは,3.活性酸素種曝露にともなう細胞内カルシウム濃度の上昇を抑制することで,細胞障害が減少すること,4.活性酸素種曝露にともなうカルシウム流入は,SH基還元剤であるジチオスレイトールや還元型グルタチオンにより制御可能であることを確認した.これらのことから,活性酸素種によるカルシウムチャネルの酸化・還元状態のカルシウムチャネルの活性化に関与し,適切な還元剤を使用し細胞内へのカルシウムの流入を制御することで内皮細胞障害を軽減可能であることが示唆された.これらの知見は,急性炎症性の臓器障害の新しい治療戦略を確立するために重要であると考えられる.
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[Publications] 東 俊晴 他: "血管内皮細胞への活性酸素種曝露に対するdeferoxamineの細胞保護作用の検討" 日本Shock学会誌. 12・1. 53 (1997)
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[Publications] 東 俊晴 他: "血管内皮細胞傷害における責任活性酸素種の同定" Journal of Aresthesia. 11. 1-I-15 (1997)
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[Publications] 東 俊晴 他: "活性酸素種曝露にともなう血管内皮細胞傷害のブラジキニンによる増強作用" 蘇生. 16・3. 201 (1997)
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[Publications] 東 俊晴 他: "活性酸素種曝露にともなう血管内皮細胞傷害に対するeidocaineの効果" 日本麻酔・薬理学会誌. (発表予定).