1998 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔方法による体性・内臓痛伝達および神経系、内分泌系反応への修飾効果について
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09771163
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
野萱 純子 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (70263902)
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Keywords | 体性痛 / 内蔵痛 / 吸入麻酔薬 / フェンタニール / 脊椎麻酔 / 免疫組織化学 / c-fos / マウス |
Research Abstract |
ddN系、C57BL系マウスを用いて、人工呼吸下に各種麻酔を施した後、急性体性痛および内蔵痛モデルを作成し、一定時間痛み刺激を継続した後、潅流固定に備えて吸入麻酔深度を深くし、左心室より4%パラホルムアルデヒド、0.3%ピクリン酸含有0.1Mリン酸バッファーで全身を潅流固定した。ついで、脳および脊髄を摘出、冠状断切片を作成し、c-fosおよびメチオニンエンケファリン、ニューロペプチドYの免疫組織染色を施した。現在のところ、イソフルラン1.7%での染色はほぼ終了し、2系統マウス間には、脊髄後角をはじめ視床下部、海馬、大脳皮質などに系統間有意差が認められた。この2系統マウスは、正向反射消失と尾に対する熱刺激を指標とした麻酔薬感受性に相違があることがわかっているが、内蔵痛や、体幹部体性痛について系統比較は行っていない。今後、内蔵痛、体幹部体性痛について麻酔薬感受性を測定する必要があるが、指標とすべき反応を何にするか検討中である。現時点では、次段階として異なるいくつかのの麻酔方法;セボフルラン、イソフルラン+フェンタニール、セボフルラン+フェンタニールについて免疫組織染色を行っている。局所麻酔薬のspinal injectionは、脊椎の開窓手技に問題があり、現在いくつかの方法で検討中である。ニッスル染色では組織損傷を認めないまでになっているが、現在免疫組織染色を画像解析中であり、まだ染色結果は得られていない。
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