1997 Fiscal Year Annual Research Report
高気圧負荷による単球及びマクロファージのエンドトキシン刺激に対する反応性の変化
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09771164
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
前川 聡一 愛媛大学, 医学部, 助手 (50284419)
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Keywords | 圧環境 / マイクログリア / 脳損傷 |
Research Abstract |
初年度は、高圧負荷による脳内マクロファージ系細胞であるマイクログリア細胞における影響を研究した。ラットの脳より分離培養したマクロファージにエンドトキシン刺激によるTNF-α,NOのショック代謝産物産生能に対する高圧環境の影響を研究した。 生後2日目のラット大脳より無菌的にマイクログリアを分離し約7日間培養を行った。培養したマイクログリアを集め96穴プレートに1.5〜1.8x104個/wellになるように分け各々にLPS10μg/mlで刺激し経時的に48時間まで各種サイトカイン、NOを測定した。高圧環境は、1、2、3atmの各グループに分け検討した。1atmでは、48時間までNO濃度は直線的に増加したが2、3atmでは、NO濃度は、48時間では圧依存性に有意に抑制された(2atm;60%,3atm;40%)。また、一方TNF-α、IL-6濃度は、48時間後で有意差は認められ無かった。 以上の結果は、圧環境が細胞障害性を有する炎症性化学伝達物質の産生を抑制する可能性を示唆している。さらに、脳内マイクログリアは、能虚血などの脳障害時に各種炎症性化学伝達物質を産生し神経障害を増悪させるとの報告もあり、高圧環境治療が、脳損傷における神経保護に有用であり臨床応用の可能性をも示すものである。次年度は、圧環境変化のvivo実験における脳損傷に対する影響および細胞内機序を引き続き研究する。
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