1997 Fiscal Year Annual Research Report
神経因性疼痛モデルにおけるNGFのナトリウムチャネルへの影響
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09771175
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
小佐井 和子 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (00234740)
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Keywords | 坐骨神経結紮 / ラット |
Research Abstract |
神経成長因子投与による神経因性疼痛の軽減がナトリウムチャネルの関与によるのかどうかを調べるために、ラットのCCIモデルでNGFの長期投与を行い、疼痛行動テストと電気生理学的実験を行い、次の段階では抗ナトリウムチャネル抗体を用いて免疫染色を行い、その局在を調べるという目標であった。しかし、実際の電気生理実験において坐骨神経の活動電位を得ることが困難であったため、当初の実験計画を変更し、疼痛刺激により発現するといわれているC-fos蛋白の発現を坐骨神経結紮モデルで免疫組織化学染色を用いて調べた。さらに来年度でのナトリウムチャネル拮抗薬の投与によるC-fosの発現形式の変化を見るつもりである。 結果1:疼痛行動テスト プランターテスト装置(UGO BASILE社製)での熱刺激を測定に与え、足を引っ込めるまでの時間を潜時として測定した。またアロデニアを調べるためにvon Frei filamentで足底を圧迫し、足を引っ込める動作をすれば、その圧力を機械的侵害閾値とした。結果は両テストとも(患側-健側)をdifferential scoreとして示し、術前、1週間後で比較検討した。その結果、熱刺激におけるDS(mean±S.E)は術前0.2±0.3(sec)、1週間後-3.5±0.5(sec)となった。また圧刺激では術前0.5±0.3(g)、1週間後-1.8±0.5(g)となった。 結果2:C-fosの発現形式の変化 sham手術をおこなったラットと坐骨神経結紮モデルのラットにおけるC-Fos発現形式を比較した。 sham群と比較して坐骨神経結紮ラットでC-Fosの発現が増加していた。 以上より、坐骨神経結紮ラットでのC-Fos発現は疼痛行動の一つの指標として利用できる。
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