1997 Fiscal Year Annual Research Report
sLe^X糖鎖発現α1-アシッドグリコプロテインの急性呼吸不全における役割
Project/Area Number |
09771184
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
新藤 光郎 大阪市立大学, 医学部, 助手 (90206326)
|
Keywords | α^1-アシッドグリコプロテイン / 炎症 / 糖鎖構造 / シアリルルイス× / 接着 / 好中球 / 急性呼吸不全 |
Research Abstract |
1.2年計画の1年目として、a 1-acid glycoprotein(以下AGP)を患者血漿より精製する方法を確立し、糖蛋白質AGPより糖鎖を切り出し、切り出した糖鎖の構造を解析する方法を決定した。 (1)TOYO PAK DEAEM(陽イオン交換体)で前処理した希釈(200倍)患者血漿を、HPLC(ハイドロキシアパタイトカラム)により分離した。AGPのピークをさらに鋭敏にすることを目標に、他メーカーのハイドロキシアパタイトカラムを考慮中である。また、ヒドラジン分解の最低必要量が0.5mgであるため、血漿量を2倍にし、HPLCへの注入量を10倍(50μl→500μl)にすることにした。 (2)糖蛋白質から糖鎖を切り出す方法として、ヒドラクラブを用いることにより安全かつ正確にヒドラジン分解することができた。糖鎖切り出し後、N-アセチル化およびABOE標識化を行った後、吸光度計により検出したが、さらに感度のよい、蛍光光度計を用いる予定である。 (3)AGPの糖鎖のうちシアリルルイスX(sLe^X)糖鎖構造をHPLC により分離同定するのにシアル酸がほとんど脱離せずにすむABOE(4-aminobenzoic acid octyle ster)化を選択した.フコースの位置を確認するのには1,3-フコースのみを切る酵素を用い、前後のピークの変化でsLe^Xを判定する。 2ICUにおけるSIRSの診断基準を満たす患者のうち人工呼吸管理を行った急性呼吸不全患者の血漿を採取し、呼吸機能を測定し、AGP濃度、糖鎖構造決定のために血漿を-20℃にて保存した。 3.今年度は、sLe^Xの量的変化、時間的変化を調べ、採取に更に工夫を加え、好中球との接着実験への発展させ、AGPの炎症における好中球接着因子に対する働きを明らかにする予定である。
|