1997 Fiscal Year Annual Research Report
極細ファイバースコープを用いた陽圧人工呼吸による末梢気道変化の定量化の試み
Project/Area Number |
09771190
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
橋口 さおり 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70245596)
|
Keywords | 極細ファイバースコープ / 末梢気道 |
Research Abstract |
陽圧人工呼吸管理に関連しておこる末梢気道の形状の変化と平均気道内圧やPEEPなどの諸因子との関連を定量化するために,以下のような方法で検討を行った. 平成9年度は,予定手術患者で肺に一次病変を認めない患者を対象として観察を行った.麻酔法は笑気,酸素,セボフルラン,筋弛緩薬とし,人工呼吸器の設定を調節呼吸として一回換気量(10ml/kg),呼吸回数10回,IE比=1:2,PEEP=0に固定した.ファイバーを右気管支の第3分岐,第5分岐,第7分岐,第9分岐に固定し,陽圧人工呼吸開始直後,2時間後,4時間後,6時間後の気道内圧測定および末梢気道の観察を行っている. 従来のファイバースコープ用カメラでは写真を現像してからスキャナーを使用してコンピューターに取り込まなければならず画像が粗くなる.そこでデジタルカメラを使用して画像をデジタルカメラから直接コンピュータに取り込むようにした.またファイバースコープ先端のレンズが魚眼レンズとなっており,画像が画面の周辺に行くほど歪みが生じることが問題となるため,コンピューター上で方程式を用いて画像を補正した.気道の扁平度を数値化するため,気道内腔の断面を楕円とみたてて長軸と短軸の比を用いて比較した. 現在までの観察では,肥満患者においては人工呼吸開始直後より気道が扁平化していること,6時間以内の陽圧換気では末梢気道の形状の変化を認めないことがわかっている. 今後の計画としては,手術部位,体位によって気道の形状に変化が現れるか、また気道内圧やPEEPとの関連性について検討し、さらに呼吸不全患者を対象として解析を続ける予定である.
|