1997 Fiscal Year Annual Research Report
開心術における術中自己濃厚血小板フェレ-シスの有効性・副作用について
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09771195
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
濱田 伸哉 久留米大学, 医学部, 助手 (70238070)
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Keywords | 自己血輸血 / 血小板機能 |
Research Abstract |
1.開心術中,体外循環前に血液成分分離装置を用いて患者自己濃厚血小板の採取を行う際,採取しうる血小板単位数について.2.濃厚血小板採取,体外循環後の濃厚血小板返血が血行動態,血液ガスなどに与える影響.3.濃厚血小板採取,返血による患者血小板機能の変化についての調査を主体として行った.1.について,2機種の血液成分分離装置を用いて60分の処理時間で処理血3600ml-6000mlから10ml/kg以上,採取前の患者血小板数に左右されるが単位数に換算し10単位以上(平均18単位)の血小板を採取しうることがわかった.2.について,血小板採取を行わないコントロール群と比較して採取中の血中カルシウム濃度の低下,循環血液量低下による低血圧傾向がみられたが,容易に補正しうる程度のものであった.血小板採取により血中の血小板数は低下し,返血により上昇した.その他の血液検査結果,酸素代謝にはコントロール群との差はみられなかった.返血に伴う血行動態、酸素代謝の変化はみられなかった.3.について,ADP,コラーゲンを凝集惹起剤として用いた検査で,麻酔導入時には差がみられなかった血小板凝集能が血小板採取に伴ってコントロール群に比べ低下したが,体外循環離脱後には差はなくなっていた.コントロール群では手術終了時まで凝集能低下傾向が続いたが,濃厚血小板を返血した群では手術終了時には凝集能の上昇がみられた.凝集能の手術終了時/麻酔導入時の比はコントロール群で0.14±0.69(n=4)であったのに対し血小板採取群では0.59±0.38(n=3)であり,この方法の有利さが示唆された.
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