1997 Fiscal Year Annual Research Report
実験的原発性上皮小体機能亢進症モデルの確立と尿路結石の発生機序の検討
Project/Area Number |
09771198
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
山口 聡 旭川医科大学, 医学部, 助手 (40230354)
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Keywords | 上皮小体機能亢進症 / 尿路結石症 / 上皮小体細胞培養 / 上皮小体ホルモン(PTH) / 酸性ムコ多糖 |
Research Abstract |
1.ラット上皮小体細胞培養と細胞移植実験 26-30週齢の自然発症性高コレステロール血症ラット(SHC,オス)の上皮小体から上皮小体細胞を分離、培養した。しかし通常条件下では長期継代、維持が困難であったため、短期培養にて、予め固有上皮小体を摘出しておいた5週齢JCL-SDラット,SHCラット(オス)の背部皮下組織内に、約1.0×10^6個の上皮小体細胞を移植した。移植4,8,12,16,20週後に、recipientラットの尿、血液の生学的検査と、腎、移植腺の組織学的検討を行った。SHCラットの一部に、rat-PTHの上昇を認めたものの、腎組織には尿路結石発生などの変化は確認されず、現在の所、上皮小体機能亢進症の発現は認められていない。 2.rat-PTH投与による上皮小体機能亢進症の誘発実験 6週齢JCL-SDラット(オス、メス)の皮下に、rat-PTH50-200μgを注入したミニ浸透圧ポンプを留置し、2-4週後に尿、血液の生化学的検査と、腎の組織学的検討を行った。これらの処置により、rat-PTH、Caの上昇を認め、特にメスの高用量投与群では、腎の組織学的検討により、皮質髄質境界付近の尿細管内に"plaque"を認めた。von Kossa染色、Pizzolato染色、酸性ムコ多糖染色により、plaque内の物質には燐酸塩、蓚酸塩、各種酸性ムコ多糖の存在が推定され、上皮小体機能亢進症に伴う尿路結石の初期病変である可能性が示唆された。 これらの結果は、第85回日本泌尿器科学会総会、第62回日本泌尿器科学会東部総会、第7回日本尿路結石症研究会で発表した。
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