1997 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト尿中蓚酸カルシウム結晶成長抑制物質に対するモノクローナル抗体の作製
Project/Area Number |
09771199
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
奥山 光彦 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90261411)
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Keywords | 尿路結石症 / シュウ酸カルシウム / ピーク3 / 単クローン抗体 |
Research Abstract |
ヒト24時間蓄尿を冷所保存し、80%硫酸アンモニウムで一昼夜塩折後、遠心分離を行い、その沈殿物を採取した。EDTA溶液に対して透析を行った後、Sephadex G-25、DEAE-Sephacel、Sephadex G-100、MonoQ Super ose12の各クロマトグラフィーを順次用いて、強いシュウ酸カルシウム結晶成長抑制活性を有する分画(Peak3)を精製して以下の研究に用いた。 完全フロインドアジュバンドを含むPeak3 40μgをBalb/cマウスに初回免疫し、その後同量のPeak3を2回追加免疫した。最終免疫より10日後に静脈血を採取してPeak3に対する抗血清を作製した。同様の方法で免疫したBalb/cマウスの脾細胞と骨髄種細胞Sp2/0をポリエチレングリコール下で細胞融合させた。HAT培地で選択し、先述の抗血清を用いてELISA法でハイブリドーマのスクリーニングを行った。現在一次スクリーニングから二次スクリーニングへと進んでいるところである。 抗血清を用いた免疫組織染色の結果、ヒト正常腎皮質では遠位尿細管上皮が所々強く染色されたが、糸球体は染色されなかった。ヒト正常腎髄質では集合管上皮に強く染色され、Henleの係蹄は弱く染色されるのみであった。以上より、抗血清を用いた検討ではあるが、Peak3は近位尿細管上皮に弱く、遠位尿細管上皮や集合管上皮に強く染色を認め、遠位尿細管上皮や集合管上皮にPeak3が存在しているものと考えられた。
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